このまち — 先斗町 — を構成する伝統的木造建築群は少なくとも100年以上前からその姿を保ち、独特の町並み景観を支えてきました。しかし近年、和風を基調としながらもこのまちの伝統的意匠を正しく理解して頂いていない建物が増加し、国内でも有数の、独特の日本らしい雰囲気に変化が生じてしまっています。条例というものはその性質上、言葉のみでしか表現されないため、そこに込められた具体的なイメージが伝わりにくくなっているのではないかと、当協議会で考えました。そのため毎月の先斗町まちづくり協議会での意見交換の際も苦労しながら話を進めざるを得ませんでした。
そこで今回、その意味を豊富な事例写真と共にできる限り丁寧な解説を試みた「先斗町景観ガイドライン」を発行することにしました。
今後は新規出店の事業者の皆さんにこのガイドラインを上手く活用して頂き、このまちの伝統的意匠を正しく理解した上で、その継承と発展に努めて頂きたいと考えています。
このまちらしさが一層広がれば、その分このまち全体が更に世界へ向けて魅力を発信できることになるでしょう。「先斗町らしい景観」の継承と発展のために、ご協力をどうぞよろしくお願いします。
先斗町まちづくり協議会
会 長 諸井 誠
副会長 金田祐一
楠 大毅
神戸 啓
このまちー先斗町ー編集委員会
編集委員長 植南草一郎
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「先斗町景観ガイドライン(建物編)」を制作いたしました。
新規事業者の方が景観に関わる行為を計画される際にのみならず、既存住民・事業者の建物改変時にも参照していただきたいと考えています。
先斗町まちづくり協議会発足の2009年頃には、「昔の先斗町を返してほしい」「昔はよかった」とどなた様も世代を超えておっしゃいました。その言葉を背景に先斗町まちづくり協議会では、先斗町の町並み景観の維持保全・再生をひとつの目標に取り組みを進めております。
町並みを昔に戻すことはできません。
町の雰囲気を昔に戻すことはできません。
もしそれをし得たとしても、結局はだれもよろこばないでしょう。
先斗町まちづくり協議会では、先斗町というまちの町並みや雰囲気を、まちの人が再度時間をかけて作り出していけるように努めています。
行政制度や公共工事を導入することで成し得る町並み保存には限界があります。
だれしもがまちの良質化に向かうことで、昔からの先斗町は再生され継続されるはずです。
メンドクサイ読み物ばかり制作しておりますが、そのように考えてのことですので、お暇なときにでも御目通しください。
※11月10日・11日の無電柱化の日PR展示「京都市の無電柱化事業と先斗町通での無電柱化工事」ご来場者にお配りさせていただきます。
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